-----------PR-----------
「似顔絵」川柳コンテスト
-----------PR-----------

多数のご応募ならびにご投票、ありがとうございました!

厳正なる最終選考の結果、15名の方が受賞されました。おめでとうございます!(今回特別に佳作も用意致しました)
なお、皆様の投票結果も参考にさせて頂きました。各賞の賞金は1月末にお送り致します。
また、入賞者には副賞として、3月もしくは6月実施の個人情報保護法検定又は個人情報保護士認定試験無料で受験して頂くことができます。
【募集テーマ】「個人情報保護」
【受付期間】平成21年10月10日〜12月10日
【応募総数】16,293句
【応募者層】小学生のお子さんから80代の方まで幅広い世代に渡りました。
 川柳にとっては「うがち」が大切であり、「風刺」「おかしみ」「軽み」「滑稽」「嘲笑」などがその重要な要素であると言われています。「うがち」とは、穿つ(穴をあける、掘る)の意味で、鋭い着眼点から多くの人が見落としている事柄を掘り下げ、明るみに出すといった意味あいで、川柳の基本となるものとされています。
 ただ、このような視点を持ったオリジナリティの高い作品は少数派で、個人情報にまつわる標語や注意文になっているケースが多く見受けられました。
 次に、「個人情報保護」という課題テーマに沿った作品かどうか、という点を考慮しました。ただ面白い作品であっても個人情報と直接関係のないもの、たとえば、セキュリティなどに着目した作品も多くありました。実例として、「フィッシング 撒き餌と疑似餌で カモをつる」「憧れの あの子の心を スキミング」「フィッシング 趣味だといったら 怪しまれ」といった面白い作品もありましたが、今回の賞からは除外されました。
 また、全体で16,000句以上が寄せられたため、中には類似しているものも多くありました。入選作とまったく同一のものはありませんでしたが、2文字違いで、内容的にも差のないものもありました。この場合、選者による検討のうえ一作品に絞り込ませていただきました。

第1回「個人情報保護」川柳コンテスト最優秀賞寸評

第1回「個人情報保護」川柳コンテスト最優秀賞

第1回「個人情報保護」川柳コンテスト優秀賞寸評

第1回「個人情報保護」川柳コンテスト優秀賞

第1回「個人情報保護」川柳コンテスト特別賞寸評

第1回「個人情報保護」川柳コンテスト特別賞

保護シール はがしてみても 当りなしぼくまいご でもおなまえは いえないの
無駄骨束央 早久亜

葉書などに張られた保護シールを、何か期待してはがしてみたら、なーんだ!!大したものじゃない。シールで大切に隠されていると、当りを期待してしまう気持ち、よくわかります。

「迷子になっても名乗れない」という過剰な情報保護意識を、かわいらしく表現した作品。お母様が、「簡単に名前を言っちゃダメよ」「人についていっちゃダメよ」って言っているのでしょうか。

墓石に 匿名希望と 刻ませた絵馬にまで 個人情報 保護シール
paipai ibuchinやま

個人情報保護への過剰反応を風刺した作品。個人情報保護法では、墓石の亡くなった方の氏名は「個人情報」ではありません。あの世まで匿名で行ったら神様は何て言うのでしょう。

絵馬に保護シールを貼る取り組みは実際に一部の神社で行われているそうです。神様は、シールをめくって確認してくれるでしょうか。

こじ開けた 金庫の中には 名簿帳個人情報 ゴホゴホゴホと 息つまる
泥棒未病人

企業保有の名簿は厳重に管理されるべきですが、忍び込んだ泥棒は拍子抜けしてしまいそうです。

個人情報保護に過敏になっている世の中を、洒落をきかせて皮肉ってくれた作品。

メールこい 電話・DM 騙されぬ
正々堂々

たとえ個人情報漏洩の結果として勧誘がきても騙されなければ良いだろう。個人情報保護法なんか要らないといっているのか、もしかしたら自社の漏洩でヤケクソなのでしょうか。

あの人の 口に貼りたい 保護シール情報は 売れて私が 売れ残る
marunbo瀬戸ピリカ

おしゃべりな人への感情をストレートに出した作品。個人情報保護とはあまり関係ないようですが、お気持ち分かります。共感を呼びそうですね。

私が先に売れたらよかったのに!名簿と私の両方が一緒に売れても良かったのに!ちょっと言い回しは違うけど「婚活の為なら情報をばら撒くわ」なんて句もたくさんありました。

漏えいを 恐れ引っ越す 無人島名前なし 匿名社会の 疎外感
しゅうじのオヤジまるくす

漏洩事件が相次ぐ中で、防止にはそこまでするしかないという皮肉なのか、諦めの心境なのか、そんなおバカさんがいるのか‥‥まあ、そこまでしないで、普通に護っていきたいですね。

マルクスの「人間疎外」を引き合いに、ますます進行する現代社会の希薄な人間関係を憂いている作品です。個人情報保護法をきっかけに、また人間疎外が進むのでしょうか。

汚い字 個人情報 保護かしら
つきみだいふく

ミミズのような字、判読できないほどの文字、実は個人情報保護対策なのでしょうか。

 他の川柳への応募作品と類似したものがありましたが、模倣・盗作ではなく、独自の創作によるものとの判断により入選とさせていただいた句が一点ありました。
 なお、一般的に「個人情報」そのものや、個人情報保護法が誤って解釈されているためではないかと推測される作品や、個人情報保護法に対する過剰反応が多かったことは、下記「川柳から浮き彫りになる個人情報保護法の理解度」にも書きましたように、今回の特徴といえるでしょう。
 本コンテストが第1回ということで、不慣れな面と、他の川柳募集の二重応募などの調査に予想外の時間が掛かったことなどで、スケジュールが変更になりましたことをお詫びいたします。
 また、選考は、まず選者10名により絞込みを行い、公開募集選者20名の投票を参考に上位20句を決定しました。その20句につきましては、一般による公開投票を行い、その結果も参考にしながら協会で最終結果を決定いたしました。
 この場をおかりしまして、応募下さいました多くの皆様、ならびにご協力下さいました選者の方々にお礼を申し上げたいと存じます。
 企業による個人情報流出事件が相次いだ2009年。「個人情報保護士認定試験」を主催する財団法人 全日本情報学習振興協会が実施した“第1回「個人情報保護」川柳コンテスト”に、全国から16,000句以上の作品が寄せられました。応募作品には以下のような傾向が見られました。
 本コンテスト作品に特徴的だったのは、個人情報保護に対しての「過剰反応」にもとづく作品、また逆に、そのような風潮を嘆く作品が非常に多くに見られた点です。たとえば、まず、個人情報保護のためには「名前を名乗らないことが大切である」とか「何でも匿名やニックネームを使うのが良い」といった誤った認識があることです。
 代表例、入選作では「ぼくまいご でもおなまえは いえないの」「墓石に 匿名希望と 刻ませた」「隣人は 卑弥呼みたいに 謎だらけ」、入選外のもので「匿名で 恋の願いを 絵馬に書く」「公園で 子供の名前も 呼べぬ親」「名札なし 昔悪い子 今良い子」といったものから、極めつけは、子どもには、はじめから名前をつけないでおこうという「この子の名 思い切っての 名無しかな」などといった極端なものまでありました。
 そういった風潮に対し批判的なもの、そのような現状を嘆かわしいと詠うものとしては、入選作「名前なし 匿名社会の 疎外感」入選外で「表札の 無い町並みに 隙間風」「名を名乗れ 時代劇なら 切捨てだ」「保護保護で 名簿作れぬ クラス会」「マンションに 並ぶ名無しの ポストたち」といった作品がありました。
 また、個人情報保護を口実に、個人情報保護とは関係ないものまで、何でも情報保護することを題材にしているもの、たとえば、「浮気ばれ 保護法盾に 白を切る」「保護シール 貼ってとぼける キスマーク」「妻の顔 情報保護して 厚くなる」「夫婦間 漏洩事故で 破綻する」「点数に 目隠しシール 貼ってくれ」「シミ皺の 流出まもる 厚化粧」「孫の顔 整形前の 嫁の顔」などがありました。
 平成17年の施行から間もなく丸5年を迎える個人情報保護法。しかしながら、保護法の目的、第1条「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする」との条文が正しく理解され、一般に浸透しているとはとても言いがたい状況が垣間見られました。
 内閣府の旧国民生活局により平成20年2月に実施された「個人情報保護に関するいわゆる『過剰反応』への対応に係る調査」の都道府県アンケート結果によれば、「全面施行当初はそのような状況が生じたが現在ではおさまっている…21都道府県44.7%」、「全面施行後からそのような状況が生じ現在でも続いている…21都道府県44.7%」となっています。
 上記調査から2年経過しましたが、過剰反応の状況は現在でも相変わらず続いているのではないでしょうか。

ページの上部へ戻る