多数のご応募ありがとうございました!

厳正なる選考の結果、13名の方が受賞されました。おめでとうございます!
各賞の賞金・賞品は5月下旬にお送り致します。
また、入賞者には副賞として、9月5日実施の暮らしのセキュリティ検定試験無料で受験して頂くことができます。
【募集テーマ】「子どもの安全」
【受付期間】平成22年2月1日〜3月31日
【応募総数】10,826句
【応募者層】小学生のお子さんから80代の方まで幅広い世代に渡りました。
 「個人情報保護士認定試験」「情報セキュリティ検定」「暮らしのセキュリティ検定」等を主催する財団法人 全日本情報学習振興協会が実施した“「子供の安全」川柳コンテスト”へは、全国から10000句以上の作品が寄せられました。応募作品には以下のような傾向が見られました。
 本コンテスト作品に特徴的だったのは、子供の登下校に関する作品が大変多かったことです。親にとって子供の安全上で一番の悩み事は、登下校のようです。家に帰ってくるまで親や祖父・祖母は交通事故や不審者、ストーカー、そして同級生のいじめっ子に心配しています。そんな中、子供たちを守るのは地域社会だと考えています。昔の地域社会への郷愁を詠う作品も多くありました。例として「この街の、子供の安全、守り隊」などがあります。
 第二の特徴は、携帯電話をテーマとした作品です。子供と何時でも連絡が取れるし、GPSで子供の行く先を捕捉もでき、ある面で携帯電話の普及は、子供の安全に大きく寄与しています。
 ところが同時に、携帯電話により多くの脅威が生まれてきました。家に帰ったら、昔は安全だったのに、昨今はインターネットでのネットいじめがあります。「ネットなきゃ、安心だった、家の中」「裏サイト、いじめが家まで、ついてくる」といった、メールや学校裏サイトなどによる、現代のネット社会のいじめや怖さ、危なさを憂う作品が非常に多く見られました。例として「怖いなあ、路地裏よりも、裏サイト」などがあります。
 また、SNSやプロフ、有害サイトへの接続といった難問も生まれ、フィルタリングやサイトのブロックがテーマにもなってきています。ところで、お母さんはGPSと同様フィルタリングでも、パパの管理をしようとしているようです。
 第三の特徴は、子供の虐待などに関連するテーマです。最近は幼児虐待やネグレクトで多くの事件が起きていることをマスコミで耳にします。児童相談所や警察への相談にも係らず助けられなかったとのニュースも耳にしております。ですから子供に痣があったり、怪我をしていたら気をつけて、地域で守ってあげなければいけないと考えているようです。
 「あざとけが、昔は自慢、いま疑念」
 また、「引きこもりの大人」による無差別殺人のニュースもあったことから、引きこもりには神経質になっているようで、ちょっと怒って部屋から出てこない程度のものまで心配しています。子供の心のSOSを敏感にキャッチしてあげなければいけないといった気遣いや、程度の差はありますが、家出や引きこもりに関して注意を払っていると思われる多くの作品がありました。

第1回「暮らしの安全」川柳コンテスト最優秀賞寸評

第1回「暮らしの安全」川柳コンテスト最優秀賞

第1回「暮らしの安全」川柳コンテスト優秀賞寸評

第1回「暮らしの安全」川柳コンテスト優秀賞

第1回「暮らしの安全」川柳コンテスト特別賞寸評

第1回「暮らしの安全」川柳コンテスト特別賞

思いっきり 痴漢と叫ぼう ソプラノで有害な サイトをブロック パパ涙
澄風がおー

警視庁の防犯標語「いかのおすし」は「ついていかない」「のらない」「おお声で叫ぶ」「すぐに逃げる」「しらせる」です。ソプラノで、おお声で叫ぶのは、まさに教えどおりです。目を閉じると悪い人が逃げていく情景が目に浮かびます。ただし、冤罪も多いので男性にとってはあまり近寄りたくないですね。脅威です。

子供に対する有害サイトのフィルタリングで、お父さんが時々こっそりと見るエッチなサイトも一緒に見られなくなってしまいました。細々とした楽しみだったのに。

安全を 世襲させたい かわいい子知らぬ人 付いて行くなと 子に言われ
山崎りゅうとら

「世襲議員」花盛りの政界のように安全も世襲させたいと思っている人もいるでしょうが、なかなか安全の世襲は難しいようです。お金持ちがガードマンなんかを付けて保護していると、ひ弱な子供になりそうですし、そういえば、最近中国ではお金持ちの子供が通う「貴族学校」が立て続けに襲われているようです。

いつもいつもお母さんから「知らない人についていってはいけません」「気をつけなさいよ」「早く帰りなさいよ」なんて言われているので、お母さんみたいな口調で言われるんでしょうか。

引きこもり 我が家は狭くて こもれないフィルタかけ 仕分けされたと 子はヘコみ
なりたや夏多汗戦争

自分の部屋にこもって、鍵かけて、親が入っても怒鳴られる。よくある話ですが、こもる部屋がなく、いつも皆一緒に暮らしている。本来の家族です。子供もこもる必要がないと思います。

事業仕分けを数千人のひとが見つめています。そんな中、不利な世論を背に、言い訳も苦しくて、仕分けされる独法の方たちは、きっとヘコんでいるんでしょうね。

学校へ どこでもドアで 行かせたいウチの子に かぎって実は 主犯格
水原雅也くみちょう

親は登下校が心配の種、ドラえもんの「どこでもドア」で教室へ、「どこでもドア」で教室から、いじめっ子や変なおじさんやストーカーにも会わず自宅に直行。子供の安全川柳もできません。

事件の度に聞く台詞。自分の子供を見る目が曇っているのか。子供が親を知り尽くしていて上手に騙しているのかどちらなのでしょう。

ひきこもり 生まれ変わる 準備中三歳児 青信号に 両手あげ
マリアコモリジジイ

やさしーい。さすがマリア様。明るい顔で、古い自分を脱皮して飛び出してきたら良いのですが、でも、こんな心で見守ってくれたら引きこもらないと思うのですが。

黄色い帽子で万歳して、可愛いですね。こんな子供をぜったい大人は守る義務があります。

 川柳にとっては「うがち」が大切であり、「風刺」「おかしみ」「軽み」「滑稽」「嘲笑」などがその重要な要素であると言われています。
 「うがち」は、穿つ(穴をあける、掘る)の意味で、鋭い着眼点から多くの人が見落としている事柄を掘り下げ、明るみに出すといった意味あいで、川柳の基本となるものと言われています。
 ただ、このような視点からの句で、オリジナリティの高い作品は少数派で、多くは子供の安全にまつわる標語や注意文になっていたりするケースが多く見受けられました。
 次に、「子供の安全」というテーマに沿った作品かどうか、という点。ただ面白い作品であっても子供の安全と直接関係のないものは今回の賞からは除外されました。
 また、全体で10000句以上が寄せられたため、中には類似しているものも多くありました。入選作とまったく同一のものはありませんでしたが、内容的に差のないものもありました。この場合、選者による検討のうえ一作に絞り込ませていただきました。
 他の川柳募集での作品とのダブり、二重応募などの調査には慎重を期しましたが、万が一類似のものがありましたらご一報をお願いしたいと存じます。
 この場をおかりしまして、応募下さいました多くの皆様、ならびにご協力下さいました選者の方々にお礼を申し上げたいと存じます。